事例4 えごまハーブオイル
相談者:株式会社東北軽金属(白石市) 蔵王野菜工房ぺリラ事業部
主な支援内容:商品開発
ブームの中での差別化をねらい
専門家にアドバイスを
アルミのリサイクルや販売を行う株式会社東北軽金属。
「最近物忘れがひどい」と気にかけていたという社長が、
テレビなどで評判のえごま油を買って試したところ、
たしかに調子がいいと実感。
以前から他分野の事業に着手したいと考えていたこともあり、
えごまを社会に広めて貢献しようと、
社内で唯一の農業経験者だった渡邊剛さんを抜擢し、
「蔵王野菜工房ペリラ事業部」を開設。
えごま油の製造・販売をスタートさせた。
必須脂肪酸の一種「α-リノレン酸」を豊富に含み、
血栓や高血圧を予防する作用があると言われるシソ科の植物、えごま。
福島県で多く栽培され、
本社がある白石市周辺の農地も適していると思われた。
2015年5月にタネまきをし、10月に最初のタネを収穫。
その間に自社加工場を整備し、
洗浄、搾油、瓶に入れるまでの工程を自ら行う体制を整え、
2016年11月からはついに、販売にこぎつけた。
道の駅や旅館などでの委託販売をメインに、
今では取引先が100件を超え、
インターネットでの販売も開始。
しかし、えごま油は既にブームになっており、
他社製品との差別化を図らなければ、
生き残りは難しいと考えていた。
黒いラベルは国内産の種子から搾った油、白いラベルはタイ産の種子から搾った油
フードコーディネーターが
味のアドバイス役に
流行りのフレーバーオイルをえごまで実現できないか。
そう考え、2017年秋には
宮城県6次産業化サポートセンターに相談。
仙台などで活躍するフードコーディネーターの女性が、
6次産業化プランナーとして新商品の開発に伴走することになった。
11月に仙台で開催される展示会での出展を目指し、
えごま油と相性がいいハーブや素材、
その組み合わせなどについてアドバイスを受け、
分量などは自分たちで試行錯誤を続けた。
そうして完成したのが、無添加・無農薬がウリの
バジルやガーリック風味のハーブオイル2種類。
ドレッシングのようにサラダにかけたり、
パスタにまわしがけするのもおすすめで、
美容と健康、味にもこだわる女性をターゲットにした商品だ。
栄養素を壊さないよう熱を加えずに低温で圧搾した新商品のハーブオイル。各1470円(税込・85g)で販売。現在はえごま油入りソープも開発中
「やっとここまで来ましたが、
栽培から商品化までずっと男性従業員だけで進めてきたので、
今後は6次産業化プランナーや社内女性陣の意見を聞きながら、
ハーブオイルの使い方やレシピなどの販促物の作成、
パッケージデザインなどもしていきたい」と渡邊さん。
また、プランナーから提案があった
山椒やショウガなど
意外な食材を用いたハーブオイルの開発にも挑戦してみたい、と話す。
会社の主体事業である金属関係のエンジニアとして働いていたが、過去の農業経験を買われ「蔵王野菜工房ぺリラ事業部」の主任に抜擢された渡邊剛さん
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